FGタチカワ|古代文字|明治教科書明朝|WEBMIRAI|FGUI |FGプチゴシック&明朝 |zx26|zx26green|zx26k10k|zx26red|FGZAGURI|続・和文フリーフォント集|The Helvetica book|font.buyshop.jp


FGPプチゴシック&明朝

FGPプチゴシック&明朝とは?〜 大正時代に設立された「カナモジカイ」の昭和初期の字形の流れを組むフォントです。カナモジカイとは日本語の漢字を廃止してカタカナだけで表現するという目的のもと作られた団体です。当時は存在しなかった平仮名を新たに創造しフォント化。カナモジカイのカタカナにはいくつものバリエーションが何人かによって作られました。時代が下るにつれ文字の大きさが揃えられ次第に整い読みやすくなっていきましたが初期の頃の不揃いの字形は独特の形状で個性的です。それらの文字群をイメージして独自の知見によってフォント化しています。

『カナノヒカリ』カナモジカイ 1952.12ダイ450ゴウP.18-19より引用↓ ローマ字ワ 上半分デ ヨマレル ト ユウ 特色ガ アルガ、カナモジモ コレニ アテハマル 要素ヲ ソナエテ イル。 サラニ ツゴウノ ヨイ コトニ、肩線ニ ヨッテ ムスバレタ 文字ガ イクツカ アルガ、コレラノ 文字ヲ ヨミヤスク スル タメニ、 「ウ カ サ キ」ナドノ ヨウニ ウエエダヲ ダシタリ、「リ」ノ ヨウニ シタエダヲ ダス クフウヲ スル。マタ、タテヨコノ 線ヤ サマザマノ 曲線ノ イリマジリニ ヨッテ 生ジル 心理学上ノ 錯覚ノ 現象ワ、文字ヲ タダシク ヨマセヨウト スル タメ ニモ オウイニ 応用スベキデ、「セ ヒ モ」ノ タテ線ヲ スコシ ミギニ カタムケル コトヤ 、ナラビ線ヲ ソロエル タメニ タテ線ヤ ナナメ線ヲ 下線 ヨリモ スコシ シタニ ダス コト ナドモ、注意スベキデ アル。

FGプチ明朝フォント

あいうえおがぎぐげござじずぜぞ
だぢづでどなにぬねのぱぴぷぺぽ
まみむめもやゆよらりるれろ
わゐゑをんっゃゅょ
アイウエオガギグゲゴザジズゼゾ
ダヂヅデドナニヌネノパピプペポ
マミムメモヤユヨラリルレロ
ワヰヱヲンヴッャュョ
0123456789~!@#$%^&*()_=+{}[]:;’<>?
英数字は等幅です
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
ABCDEFGHIJKLMNOPqRSTUVWXYZ
いろはにほへとち以呂波仁保辺止知
利奴留遠和加与太りぬるをわかよた
れそつねならむう礼曽川祢奈良武宇
為乃於久也末計不ゐのおくやまけふ
こえてあさきゆめ己衣天安左幾由女
美之恵比毛世寸旡みしゑひもせすん
イロハニホヘトチ伊呂八仁保辺止千
利奴流乎日加与多リヌルオワカヨタ
レソツネナラムウ礼曽川祢奈良牟宇
井乃於久也末介不ヰノヲクヤマケフ
コエテアサキユメ巨江天阿草幾勇女
三之恵比毛世寸旡ミシヱヒモセスン

「カラマーゾフの兄弟」
昔あるところに、それはそれは意地の悪い女が住んでいて、ぽっくり死んでしまいました。 死ぬまでひとつとして美談がありませんでした。悪魔たちがその女をつかまえ、火の湖に投げ込みました。 そこで、その女の守護天使がそばにじっとたたずみながら考えました。 「何かひとつでもこの女が行なった美談を思いだして、神さまにお伝えできないものだろうか」、と。 そこでふと思い出し、神さまにこう告げたのでした。
「この人は野菜畑で葱を一本引き抜き、乞食女に与えました」、と。 すると神さまは天使に答えました。 「ではその葱を取ってきて、火の湖にいるその女に差しだしてあげなさい。それにつかまらせ、引っぱるのです。もしも湖から岸に上がれれば、そのまま天国に行かせてあげよう。でもその葱が切れてしまったら、今と同じところに残るがよい」 天使は女のところに駆け出し、葱を差しだしました。 「さあ女よ、これにつかまって上がってきなさい」 そこで天使はそろそろと女を引きあげにかかりました。そしてもう一歩というところまで来たとき、湖のほかの罪びとたちが、女がひっぱり上げられるのを見て、一緒に引きあげてもらおうと女にしがみついたのです。 するとその女は、それはそれは意地の悪い人でしたから、罪びとたちを両足で蹴りおとしはじめたのでした。 「引っぱりあげてもらってるのはわたしで、あんたたちじゃない、これはわたしの葱で、あんたたちのじゃない」 女がそう口にしたとたん、葱はぶつんとちぎれてしまいました。そして女は湖に落ち、今日の今日まで燃えつづけているのです。 そこで天使は泣き出し、立ち去りました。
蜘蛛の糸by芥川龍之介

 ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池はすいけのふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮はすの花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色きんいろの蕊ずいからは、何とも云えない好よい匂においが、絶間たえまなくあたりへ溢あふれて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。
 やがて御釈迦様はその池のふちに御佇おたたずみになって、水の面おもてを蔽っている蓮の葉の間から、ふと下の容子を御覧になりました。この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、水晶のような水を透き徹して、三途の河や針の山の景色が、丁度覗のぞき眼鏡を見るように、はっきりと見えるのでございます。
 するとその地獄の底に、かんだたと云う男が一人、ほかの罪人と一しょに蠢ている姿が、御眼に止まりました。このかんだたと云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。と申しますのは、ある時この男が深い林の中を通りますと、小さな蜘蛛が一匹、路ばたを這って行くのが見えました。そこでかんだたは早速足を挙げて、踏み殺そうと致しましたが、「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命を無暗にとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」と、こう急に思い返して、とうとうその蜘蛛を殺さずに助けてやったからでございます。
 御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、このかんだたには蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。そうしてそれだけの善い事をした報いには、出来るなら、この男を地獄から救い出してやろうと御考えになりました。幸い、側を見ますと、翡翠のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮しらはすの間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下なさいました。

 こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一しょに、浮いたり沈んだりしていたかんだたでございます。何しろどちらを見ても、まっ暗で、たまにそのくら暗からぼんやり浮き上っているものがあると思いますと、それは恐しい針の山の針が光るのでございますから、その心細さと云ったらございません。その上あたりは墓の中のようにしんと静まり返って、たまに聞えるものと云っては、ただ罪人がつく微かすかな嘆息ばかりでございます。これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦せめくに疲れはてて、泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。ですからさすが大泥坊のかんだたも、やはり血の池の血に咽むせびながら、まるで死にかかった蛙のように、ただもがいてばかり居りました。

 ところがある時の事でございます。何気なにげなくかんだたが頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛くもの糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。かんだたはこれを見ると、思わず手を拍うって喜びました。この糸に縋すがりついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。そうすれば、もう針の山へ追い上げられる事もなくなれば、血の池に沈められる事もある筈はございません。

 こう思いましたからかんだたは、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。元より大泥坊の事でございますから、こう云う事には昔から、慣れ切っているのでございます。

 しかし地獄と極楽との間は、何万里となくございますから、いくら焦あせって見た所で、容易に上へは出られません。ややしばらくのぼる中うちに、とうとうかんだたもくたびれて、もう一たぐりも上の方へはのぼれなくなってしまいました。そこで仕方がございませんから、まず一休み休むつもりで、糸の中途にぶら下りながら、遥かに目の下を見下しました。

 すると、一生懸命にのぼった甲斐があって、さっきまで自分がいた血の池は、今ではもう暗の底にいつの間にかかくれて居ります。それからあのぼんやり光っている恐しい針の山も、足の下になってしまいました。この分でのぼって行けば、地獄からぬけ出すのも、存外わけがないかも知れません。かんだたは両手を蜘蛛の糸にからみながら、ここへ来てから何年にも出した事のない声で、「しめた。しめた。」と笑いました。ところがふと気がつきますと、蜘蛛の糸の下の方には、数限かずかぎりもない罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるで蟻ありの行列のように、やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。かんだたはこれを見ると、驚いたのと恐しいのとで、しばらくはただ、莫迦ばかのように大きな口を開あいたまま、眼ばかり動かして居りました。自分一人でさえ断きれそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数にんずの重みに堪える事が出来ましょう。もし万一途中で断きれたと致しましたら、折角ここへまでのぼって来たこの肝腎かんじんな自分までも、元の地獄へ逆落さかおとしに落ちてしまわなければなりません。そんな事があったら、大変でございます。が、そう云う中にも、罪人たちは何百となく何千となく、まっ暗な血の池の底から、うようよと這はい上って、細く光っている蜘蛛の糸を、一列になりながら、せっせとのぼって参ります。今の中にどうかしなければ、糸はまん中から二つに断れて、落ちてしまうのに違いありません。

 そこでかんだたは大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己おれのものだぞ。お前たちは一体誰に尋きいて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」と喚わめきました。

 その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急にかんだたのぶら下っている所から、ぷつりと音を立てて断きれました。ですからかんだたもたまりません。あっと云う間まもなく風を切って、独楽こまのようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。

 後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。

 御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、やがてかんだたが血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、かんだたの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。

 しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら萼うてなを動かして、そのまん中にある金色の蕊ずいからは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽ももう午ひるに近くなったのでございましょう。 (大正七年四月十六日)

フォントグラフィックのフォントは次のECサイトで購入することができます。

明治教科書明朝〜designpocketECサイト

fontfactory

一太郎/ATOKユーザー優待割引サイト 続・明治教科書明朝〜ジャストシステム

明治教科書明朝〜ジャストシステム

BASEサイト/ゼロゴシック、ゼロラバウル、晴耕雨読傘など font.buyshop.jp

WEBフォントプラグイン webfontfan.com

*FGUIフォントDATAは翔泳社デザイン3000第二刷/2022やBOOTHなどでダウンロード可能


©2022 fontgraphic.jp Hideaki Ohtani. All rights reserved.