昭和丸ゴシックフォント化作業中
製作中の昭和丸ゴシックは仮名のデザインがほぼ確定したのでフォントデータ化している最中です。フォントソフトは日本語データが作ることができるTTEditなどを利用しています。下図のように一文字づつドットとベジェ曲線で描いていきます↓。
このソフトのグリフ一覧は簡単な作りの英文字エリアに始まります。英文字は等幅としてデザイン中です。英文字の場合は毎回アンパサダー(&)などに特徴を持たせることが多いです。日本語の漢字量の膨大さや平仮名などの曲線の作りに比べて英文字は単純で数が少ないので日本語に比べると一瞬で終わってしまうほどあまり時間がかかりません。が組んだ時のバランスは考えているので読みやすいかと思います↓。
仮名エリア。平仮名はバランスを作るのが非常に難しい。イラレの段階で完璧に作っておけばフォントデータ化は効率が上がります。最新型のMacbookProにしたおかげでパラレルWindowsの画面解像度も綺麗になり作業がしやすくなりました↓。
仮フォントデータ化して縦で組んで見ました。最初から縦組み横組み双方でバランスを取ることが肝要となります。宮沢賢治の文章で組むことが多い↓。
カタカナの文章は「雨ニモマケズ」が定番です↓。
前回のBLOGでも書きましたが漢字量は第二水準まで入れると膨大です。データを作ること自体は正方形のマス目の中で文字を描いていくだけなので単調ですが何しろゴールが全く見えない膨大な分量をコツコツと何年も続ける根気が必要です。多くのリソースと開発費をかけることができるフォントメーカーがなし得ることのできる作業ですが七年がかりでようやく第二水準まで↓。
ベジェで書き続ける作業はパソコンの画面に鑿(ノミ)で彫るような感覚とでも云えますでしょうか。万年腱鞘炎状態です↓。
昨年〜今年と明治教科書明朝をリリースしました。当店には長年かけて集めた膨大な明治時代の教科書資料がありますが今回の昭和丸ゴシックのカタカナ部分は大正〜昭和時代のカナモジカイの一部のグリフ設計を少し意識しています。カナモジカイというのは昔「日本語の漢字を廃止して全部カタカナにしてしまおう」という構想があり団体も存在していました。代表的な成果物としては昭和時代の日本語カタカナタイプライターがあります。当店にはそのカナモジカイ資料もかなりの数を所有しています。希望があれば有料にて閲覧可能です↓。
カタカナと英文の文字組みイメージ。横のラインが揃うのが特徴です↓。
かつてのカナモジカイには平仮名はありませんでしたが昭和丸ゴシックはその思想を若干意識しつつ平仮名にも規則性をもたせたフォントになります。私は数年前にミライゴシックシリーズ(今このサイトで表示させているウェブフォントです)というのもリリースしていますが若干前衛的すぎたため今回の昭和丸ゴシックはわかりやすいデザインを心がけています↓。
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フォント・デザイン
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