明治期のオールド明朝体5

復刻中の教科書ですが、β盤プロトタイプとして何部か完成しました。今後、変わる可能性もありますが、今の所進んでいるデザインを紹介します。全て手作りですので素材や製本などを工夫しています。

FGP明治教科書明朝文字見本帳

↑製本は当初、和綴じで進んでいましたが和風寄りになりすぎましたので工業用ミシン縫いで手製本です。糸は#20というジーンズ用のを使用しています。ブ厚い紙の束を縫うのは結構大変ですがしっかりと製本されます。紙は書道半紙、包装紙、ワラ半紙など試行錯誤中です。

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↑表紙です。高級和紙、普及品和紙、高級〜一般的書道用紙、ワラ半紙、クラフト紙などあらゆる種類を試し中ですがコスト面、印字効果面、風合いから包装紙(100kg程度)のツヤ面を表に印刷するのが暫定案。本文の色はスミにするか、青系にするかシュミレーション中です。

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↑こんな感じでミシン縫い。写真はCD-ROMケースを縫っている様子。ワラ半紙です。

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↑全てのページは袋綴じで作り込みました。綴じた中ページの裏映りもデザインの一部として作っています。この明朝体フォントはかなりうねっていて、本文として組んだ時でもタイトルで組んだ時でも個性あふれる風合いのある書体です。明治期の教科書から複数種の活字を抽出し、仮名のバランスを調整して再構築したフォントになりまして、特に「か」や「る」、「も」の筆運びなど特徴的です。100年前の活版文字はなんて美しかったんだろうと本文を眺めているだけでうっとりしてしまいます。

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↑大昔の書物です。江戸期〜明治期の教科書や書物は和綴じで薄い和紙のものも多いです。微妙にウラ映りしているのに感動し、数年前これらの本を手にした時から、いつかこういう本を作ってみたいと決心して始めた活版フォントから全行程自己完結型の製本。ようやく現実的なカタチとなってきました。

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↑本文内容は戦前の小学生向けの教科書ですが、現代人に当てはまるように大幅に書き直しています。名刺の渡し方や歩き方(スマホを見ながら歩かない)など社会人のマナーとしても活用できる内容となっております。日本語タイトルは「礼儀作法」ですので、英語タイトルは「Good manners」としました。

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↑洋製本でいう小口の部分は、明治時代の様式を取り入れ、折りとしてミシン目入りの切り込み仕上げ。1頁ごとに「キリトリ線」表示。

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↑袋とじを破いた様子。中からは収録フォント欧文見本や巨大Q数の字形印字サンプルが出現します。本全体の色は藍色、袋綴じの中は補色の朱色とし、スタンプインクで印刷したようなレトロな雰囲気を狙いました。

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↑CD-CASEは同色の糸で縫いました。

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↑裏表紙もミシンでしっかり綴じました。糸の色は袋綴じ部分の朱色に合わせています。欧文は、伝統的なオールドローマン系をイメージしたオリジナル書体としてデザインしています。

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↑このように全部のページに裏がスケスケになります。そして、全文字旧漢字&異体字です。続・和文フリーフォント集ではゴシックバージョンの旧漢字フォントを収録しましたが、今度は明朝体の全漢字をパーフェクトに旧字にしました。

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↑全ての文字組にはQ数と行送りを示し、文字見本としての役割をはたしています。

FGP明治教科書旧字明朝の特徴〜所蔵している19世紀(明治初期-中期)の大日本帝国文部省発行教科書数百冊の中から選びぬいた活字を基本にレタリングし、パソコン用に最適化して現代に蘇らせた文字です。

「角川新字源」、「字通」(白川静著・平凡社刊)で示されているすべての漢字が自動的に旧漢字に、及び昔の教科書に使用されていた旧字に変換されるようにしています。また、しんにょうが二点しんにょうに、「工」、「世」などのいくつかの漢字を異体字として作り、計450字以上にのぼる漢字を旧字・異体字として作っています。このフォントで組むとあら不思議?!現代文でも明治期の活字書籍のようになるという他に類を見ない独自の特殊フォントとなります。

明治期のオールド明朝体6に続く。

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